休日美術館マップ

休日に行く美術館とカフェ

東京都美術館「バベルの塔」展 → 喫茶去

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今回は東京都美術館で開催中のバベルの塔展から、同じ上野公園内にある喫茶去でお茶するコースです。

 

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上野駅公園口から歩いて5分あまり、上野動物園の隣に東京都美術館はあります。正門の広場にはいくつか彫刻作品が設置されており、それらを眺めつつエスカレーターを降りてエントランスへ。金属でできた球体の作品「my sky hole 85-2 光と影」(1985 井上武吉)が存在感あります。

 

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平日だったおかげか、チケットは並ばずに購入することができました。人気の展覧会だと入場に何時間も待つこともある上野近辺の美術館ですが、今回の展示は大丈夫みたいです。奥に進むと展示場入口が見えてきます。

 

ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲルバベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝―ボスを超えて―

【公式】 ブリューゲル「バベルの塔」展 より引用)

副題に「16世紀ネーデルラントの至宝―ボスを超えて」とある通り、ブリューゲルのみならず、彼が手本とした先駆者ヒエロニムス・ボスの油彩2点、そして彼らが生きた時代、16世紀ネーデルラントの絵画、版画、彫刻を全体で約90点の出品作でご紹介します。
迫真の写実と輝くような美しい色彩が印象的な油彩絵画、ボスの怪物モチーフが所狭しと、描かれる版画作品、そして木彫の粋を尽くした彫刻作品など、16世紀ネーデルラント美術の精華をご覧いただきます。
また、今回の展覧会では新しい試みとして作品を美しく見やすく展示することに加え、東京藝術大学COI拠点の特別協力により芸術と科学技術を融合させ、原寸を約300%拡大したブリューゲルバベルの塔」の複製画を制作・展示します。また、同拠点は「バベルの塔」の3DCG動画も制作し、多様なメディアを駆使してこの傑作の魅力に迫ります。

 

ヒエロニムス・ボスは16世紀ネーデルラントで活躍した画家です。モンスターや奇怪な世界を描いたことで、ブリューゲルをはじめ同時代や後続世代の画壇に大きな影響を与えました。

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ヒエロニムス・ボス《聖クリストフォロス》1500年頃 油彩、板

【公式】 ブリューゲル「バベルの塔」展 より引用)

現存するボスの真作はたったの25点しかないそうです。今回2点の油彩画が初来日しました。上の画像は展示作品の1つである「聖クリストフォロス」という油彩画。巨人レプロブスがキリストである少年を肩に乗せていますが、あまりの重さに腰をかがめながら川を渡っています。少年キリストの重さは世界の重さそのもの。それ以来巨人は自らを「クリストフォロス(キリストを担ぐ者)」と名乗ったそうです。

 

 

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ピーテル・ブリューゲル1世 《バベルの塔》1568年頃 油彩、板

Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam, the Netherlands

 【公式】 ブリューゲル「バベルの塔」展 より引用)

 そして今回の目玉作品であるブリューゲルの「バベルの塔」。思ってたより小さいなというのが最初の印象でした。でも見れば見るほどその完成度の高さに引き込まれます。人間が作る巨大建造物の荘厳さと危うさが画面全体を覆う一方で、人々の生活やストーリー性が細部に宿り、それらがこの絵画をサイズ以上のものにしています。

 

ところで、個人的に左上の変な形をした白い雲が妙に気になりました。他部分の細密な描写と比べ、なんとなくおおざっぱであまり馴染んでないような・・。

 

バベルの塔が展示されているななめ向かいには、原寸を約300%拡大した本作の複製画も展示されています。感覚的にはこのサイズがちょうどいい感じ。元が細かかったせいか、3倍になってもなお見応えある密度です。本作と比べやや色に違和感がありました。

 

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美術館を出たら不忍池方面へ向かいます。ちょうどアジサイが咲き始めていました。

 

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この趣ある古民家風の建物が今回訪れた喫茶店。「喫茶去」と書いて「きっさこ」と読みます。禅語で「お茶をどうぞ」という意味があるそうです。

 

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注文したのは抹茶(麩饅頭つき)。この麩饅頭がもちもちしてけっこう美味しかったです。人気のメニューはクリームあんみつで、他にはくずきりやあんみつなど数品。コーヒーなどはなく、和に傾倒した内容です。

 

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ブリューゲルバベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝-ボスを超えて-

 

東京会場 http://www.tobikan.jp

会期 2017年4月18日(火)~7月2日 (日)

 
会場 東京都美術館 企画展示室 〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
 
開 室 時 間 9:30~17:30、金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)
 
休室日 月曜日(ただし5月1日は開室)

 

 

大阪会場 http://www.nmao.go.jp/

会期 2017年7月18日(火)~ 10月15日(日)

 
開館時間 10:00 ~17:00、金曜日は19:00まで(入場は閉館の30分前まで)
 

休館日 月曜日 ※ただし、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館

 

 

喫茶去

TEL 03-3821-8126

 

住所 東京都台東区上野公園4-59

 

交通手段

京成本線 京成上野駅 徒歩5分
JR東北線他 上野駅 徒歩6分
東京メトロ銀座線 上野広小路駅 徒歩9分
都営地下鉄 大江戸線 上野御徒町駅 徒歩9分

京成上野駅から246m

 

営業時間 11:00~17:00

 

定休日 無休

 

 

横浜美術館 ファッションとアート展 → カフェ オムニバス

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今回は横浜美術館でファッションとアート展を見たあと、YCCの1階にあるカフェ・オムニバスに行くルートをご紹介。桜木町駅からスタートします。

 

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桜木町駅からランドマークタワー経由で横浜美術館へ行く途中現れるこのクネクネしたオブジェ。ジェットコースターみたいと思っていたら、「たなびく雲」をテーマに作られた作品だそうです。その名も「モクモク ワクワク ヨコハマ ヨーヨー」。彫刻家の最上壽之さん作。

 

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エントランス前に展示されているのは「彩られた風のイスたち」山口貴司さん作。グレーの重厚な背景に軽やかな青がきれいに引き立っています。

 

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そして今回のメイン「ファッションとアート 麗しき東西交流」展。以下概要文です。

 

「ファッションとアート 麗しき東西交流」展 概要

横浜美術館HPより引用 http://yokohama.art.museum/index.html

*

ベール「イヴニング・ドレス」1919年頃 京都服飾文化研究財団蔵 林雅之撮影
日本の伝統的な文様「青海波」と「四つ金輪」がシルバー・ビーズで刺繍されている。横浜美術館HPより引用

 

海の向こうへの憧れが、新しい装いと美を生み出した――。

1859(安政6)年の開港以来、横浜は西洋の文化を受け入れ、日本の文化を海外に送り出す玄関口としての役割を担ってきました。この展覧会では、19世紀後半から20世紀前半のファッションと美術に焦点を当て、横浜を一つの拠点とする東西の文化交流が、人々の生活や美意識にどのような影響を及ぼしたのかを紹介します。  

明治以降の日本では、西洋からもたらされたファッションやライフスタイルが、急速に人々の暮らしに浸透していきました。一方、西洋へは日本の美術品やきものが輸出され、ジャポニスムのブームが起こりました。日本と西洋の双方にとって、海の向こうの人々は、美しく珍しい衣服を優雅にまとい、自分たちのものとは異なる工芸品で日々を豊かに彩る、「麗しき」他者であったことでしょう。  

横浜では初めての展示となる京都服飾文化研究財団(KCI)所蔵のドレスや服飾品約100点を中心に、国内外の美術館や個人が所蔵する服飾品、工芸品、絵画、写真など計約200点を展観。日本と西洋が互いの装いと生活の文化をどのように受容・展開し、新しい美を見出していったかをたどります。

 

展示されている服はどれも状態がとても良く、100年以上前のものとは思えないような凛としたオーラを放つものもありました。ベール「イヴニング・ドレス」は青海波と四つ金輪という日本古来の文様が繊細に刺繍され、見事に洋風ドレスと調和しています。

 

*

ジュール=ジョゼフ・ルフェーヴル
「ジャポネーズ(扇のことば)」1882年 油彩、カンヴァス 130.8×90.2cm
クライスラー美術館蔵
Gift of Walter P. Chrysler, Jr.
日本に魅せられたフランス人画家ルフェーヴルが描いたきもの姿の女性像。日本初公開。横浜美術館HPより引用

 展示されているのはドレスだけではなく、絵画や工芸作品もあります。ルフェーヴルの「ジャポネーズ(扇のことば)」は、和服着てポーズを決めてるモデルさんがとても楽しそう。ちょっと自分流に着崩してる感じとか妙にリアルで、けっこう好きな作品です。

 

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 ファッションとアート展の中で唯一撮影が許されているエリアがこちら。撮影禁止のドレスと比べるとカジュアルな感じです。

 

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称名寺春景」伊藤誠

ファッションの展示が終わって奥に進むと、もう一つの企画展「自然を映す」が開催されています。新旧様々な絵画作品が展示されています。こちらも撮影OKとなっていました。最近撮影できる展示が増えましたね。

 

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美術館のあとすぐカフェへ行くつもりでしたが、6月4日まで緑化フェアを開催中とのことで、運河パーク展示中のコンテナ花壇をいくつか見てまわりました。グランモール公園から港の見える丘公園周辺まで、あちこちにガーデニングが設置されているようです。

 

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 歩き疲れてきたところでカフェタイム。今回のカフェはYCCヨコハマ創造都市センター1階にあるオムニバスです。建物は1929年に建設された歴史的な建造物で、元は旧第一銀行横浜支店だったそうです。

 

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期待を裏切らない内装です。窓のデザインがいい感じ。

 

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こちらはなんと炭酸のアイスコーヒー。人生初挑戦です。飲んでみると予想以上にすっきり爽快感があり、清涼飲料水としてしっかり成り立つおいしさでびっくりしました。

炭酸はまだしもコーヒーにレモンってどうなのって思いましたが、この炭酸コーヒーに関しては大正解。いっそのことコーヒーという意識を捨てたほうが素直に飲めるかも。ストロー使うよりも直接飲んだほうがレモンの香と炭酸の刺激を楽しめました。

 

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横浜美術館 ファッションとアート展 麗しき東西交流

会期:2017年4月15日(土) ~ 6月25日(日)

開館時間:10時~18時
*2017年5月17日(水)は20時30分まで
*入館は閉館の30分前まで

休館日:木曜日、5月8日(月)*5月4日(木・祝)は開館

主催:横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
公益財団法人京都服飾文化研究財団、日本経済新聞社

後援:横浜市

特別協力:株式会社ワコール、三菱一号館美術館

協力:日本宝飾クラフト学院、公益社団法人服飾文化研究会、 みなとみらい線
横浜ケーブルビジョン、FMヨコハマ首都高速道路株式会社

観覧料:

先行ペア券 2,000円
*1セット2枚で2,000円
*販売期間:2017年1月15日(日)~2月14日(火)
一般 1,500円(前売 1,300円 / 団体 1,400円) 
大学・高校生  900円(前売 700円 / 団体 800円)
中学生  600円(前売 400円 / 団体 500円)
小学生以下 無料
65歳以上 1,400円(要証明書、美術館券売所でのみ対応)

 


カフェ オムニバスcafé OMNIBUS
住所:横浜市中区本町6-50-1MAP

電話番号:045-306-9114

メール:omnibus@yokohamacc.org

アクセス:
みなとみらい線馬車道駅」1b出口
〈野毛・桜木町口(アイランドタワー連絡口)直結〉
JR・市営地下鉄線「桜木町駅」徒歩5分
JR・市営地下鉄線「関内駅徒歩7分

営業時間:11:00~20:00 (ラストオーダー19:30)

定休日:年中無休 (貸切時・年末年始を除く)

DIC川村記念美術館 ヴォルス展→ Feliz珈琲

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DIC川村記念美術館で開催中の展示「ヴォルスー路上から宇宙へ」を見てから、勝田台駅近くのFeliz珈琲へ行ってきました。

 

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千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館。DICというインク製造会社が所有するコレクションを展示するために、研究所の敷地内に建設したそうです。周囲は高原リゾートのような雰囲気。

 

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チケット売り場から森の中へと続くような小道を進むと、ぽっかりと開けた洋風の庭園が見えてきます。池のほとりにはカモたちがのんびり休憩しており、のどかな光景がひろがっていました。

 

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池沿いに散策路を歩いていくと、立派な藤棚が見えてきます。ちょっとだけ花の名残がありました。見ごろの時期はきっと綺麗なんでしょうね。そこから少し行くと広場があり、ヘンリー・ムーアの彫刻がポツンと設置されています。自然を背景に奇妙な存在感を醸していますが、個人的には巨大な脊椎動物の神経胚のように見えました。

 

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ここの散策路は藤の他に桜やモミジなど、季節ごとにいろんな植物が楽しめそうです。道沿いのアジサイもつぼみをたくさんつけていました。

 

軽く散歩を終えたらいよいよ美術館へ。エントランス付近にあるフランク・ステラの大迫力な作品から、館内ロビーの静謐な雰囲気が好対照です。

 

「ヴォルスー路上から宇宙へ」展 概要

(DIC川村記念美術館HPより引用 http://kawamura-museum.dic.co.jp/index.html

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ヴォルス《裸体の花》1949/62年 サルトル『食糧』(1949年刊)の挿絵
ドライポイント、紙 12.3×10.0 cm DIC川村記念美術館

ヴォルス(1913-1951)は、音楽と詩に親しみ、独学で絵を描くようになった稀有な芸術家です。 第一次大戦後のドイツに育ち、フランスに移り住み、1930年代にまず写真家として認められました。まぶたを閉じた人物、調理前の生々しい食材などにカメラを向け、強い凝視力の写真作品を残しています。

10代から水彩画、ドローイングを制作していたヴォルスは、ドイツとフランスの戦争が始まると収容所を転々とせざるをえず、そこで描くことに没頭しました。目を閉じているうちにイメージをつかんだといわれる、蜘蛛の糸のような描線と澄んだ色彩は、ヴォルス独自の魅力を放っています。

さらに油彩画を始め、慣例にとらわれない描法を開いたのは戦後のことでした。ジャン=ポール・サルトルジャン・ポーランら文学者や詩人たちに認められ、挿絵の依頼を受けて彼らの著書に銅版画を寄せたのもつかのま、ヴォルスはわずか38歳で早すぎる死を迎えています。

貧窮のうちに没したヴォルスは、死の直後から「アンフォルメル」動向の先駆として注目され、評価を受けます。日本でも1950年代にアンフォルメルの作家として紹介され、1964年に東京・南画廊で初めてのヴォルスの個展が開かれています。その際、瀧口修造らが文章を寄せたカタログと画集が出版され、ヴォルスの作品が多くの人の心をつかみました。

近年は展覧の機会が少ないヴォルスですが、DIC川村記念美術館では彼の油彩、水彩、銅版画にわたる充実したコレクションを所蔵しています。本展はこれらを中心に日本における受容を反映しながら、路上の石や虫を見ながら遠く宇宙までも見通した深い作品世界を紹介し、ヴォルスの再評価の契機といたします。

 

概要文にあるアンフォルメルとは、第二次世界大戦後にフランスを中心にひろがった抽象表現美術の流れのことです。「抽象表現主義とどう違うの?」と思われる方もいるかもしれませんが、アンフォルメルがフランス中心に始まった戦後美術の流れなのに対し、抽象表現主義はアメリカ中心に始まった流れとなります。同時期に誕生した双子のような関係ですね。

 

ヴォルスの作品を見ていて思ったのが、小さい作品がとても似合うということ。手に収まるくらいの作品が多く展示されています。そこに描かれた細密な線の束を見ていると、小さな世界から繋がる広い世界を顕微鏡で覗いているような、そんな不思議な感覚をおぼえました。写真や油絵も展示されていましたが、個人的にはヴォルスの繊細な線が楽しめる水彩や版画が好みです。

 

川村記念美術館に行ったなら、やはりロスコやトゥオンブリーの部屋など工夫がなされた常設展示も見逃せません。入館すると常設展から始まるのも、もしかしたら美術館の自信の表れでしょうか。個人的にコーネルのコレクションが見られたのも嬉しいポイントでした。

 

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美術館のあとは車で30分くらい走り、勝田台駅近くのFeliz珈琲へ。コーヒーにこだわりある喫茶店とのレビューもあり、行ってみることにしました。

 

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オーダーしたのは「本日のコーヒー」。この日の豆の銘柄はコンゴのシティローストで、「しっかりとしたボディ感がありながらすっきりしたのど越し」が特徴とのこと。確かに雑味がなくクリアな味でとても飲みやすかったです。ちなみに1回の注文で2杯目までいただくことができるとのこと。しかも2杯目の銘柄を変えることができるそうなので、飲み比べを楽しむこともできちゃいますね。

 

DIC川村記念美術館

「ヴォルス──路上から宇宙へ」展

会期:2017年4月1日~7月2日
会場:DIC川村記念美術館
住所:千葉県佐倉市坂戸631
電話番号:0120-498-130
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月
入館料:一般 1300円 / 学生・65歳以上 1100円 / 小中学生 600円
URL:http://kawamura-museum.dic.co.jp/exhibition/

 

Feliz珈琲

住所:〒285-0855 千葉県佐倉市 井野1547番地−6丁目 あずさ井野ビル2階
電話:043-488-6443
営業時間:9時~18時
定休日:日曜

東京ステーションギャラリー アドルフ・ヴェルフリ展→ Café1894

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今回ご紹介するのは、東京ステーションギャラリーで開催中のアドルフ・ヴェルフリ展「二萬五千頁の王国」でアウトサイダーアートを楽しんだあと、明治モダンの情緒あふれるCafé1894でお茶するコースです。

 

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東京駅丸の内北口ドーム内にある東京ステーションギャラリー。ところどころ見える煉瓦壁が駅の歴史を感じさせます。

 

アドルフ・ヴェルフリ(1864-1930)

アウトサイダー・アートアール・ブリュットの芸術家として世界的に高く評価されながらも、日本ではほとんど知られていないアドルフ・ヴェルフリ[1864-1930]の、日本における初めての大規模な個展です。
スイスのベルン近郊に生まれ、孤独で悲惨な幼少期を送ったヴェルフリが絵を描き始めたのは、罪を犯し、精神科病院に収容されて数年後の35歳のとき。以後、病室で一心不乱に描き続け、生涯に描いた数は25,000ページ。余白を残さず、絵と文字と音符で埋め尽くされた作品はどれも、既存の芸術や美術教育の影響を受けることなく生み出された他に類をみない表現力と、奇想天外な物語性、そして音楽への情熱にあふれています。自分の不幸な生い立ちを魅惑的な冒険記に書き換え、理想の王国を築いて世界征服をたくらみ、音楽監督として作曲に没頭したヴェルフリ。彼が描いたのは空想の世界の出来事ではなく、すべて真実と疑わない自らの姿を投影したものでした。
ヴェルフリの初期から晩年までの74点を厳選した本展は、アール・ブリュットの源流をたどる待望の機会です。緻密にして壮大、エキセントリックにしてファンタスティックな創造力を是非その目で確かめて下さい。

東京ステーションギャラリー

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201704_adolfwolfli.htmlより抜粋)

 

アウトサイダー・アートアール・ブリュット/生の芸術)とは、美術のアカデミック教育を受けていない人々による作品のことをいいます。技術的な洗練に覆われない、浮世離れした独自の表現が特徴です。ヘンリー・ダーガーや、日本人では山下清がよく知られていますね。

 

展示室に入って1作目を見たときまず感じたのは、ヴェルフリの制作に懸けるすさまじい執着心。絵と共に文字、音符、模様で埋め尽くされた画面から、異様なパワーを放っています。

 

外の世界の慣習(アカデミックな絵画技法含む)などこの人には全く必要なかったのでしょう。本人と本人が描く世界が完全に一致していなければ、きっとこんなパワーは生み出せません。

 

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独特な世界をおなか一杯に見た後は、1894に向かいます。駅前は足早なサラリーマンとのんびりとした観光客が対照的。

 

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もうすぐカフェ入口というところで、気になる看板を発見。「アートアワードトーキョー丸の内2016」の受賞者の方の個展だそうです。現実と空想の中間にあるような世界が特徴的。三菱一号館の歴史資料室で5月21日まで開催です。思いがけず若手アーティストの展示が見れてちょっと得した気分でした。

 

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三菱一号館美術館の1階にあるCafé1894。明治期に銀行営業室として使われていた空間をカフェとして復元したものだそうで、重厚でレトロな明治モダンの空気が漂っています。この雰囲気最高ですね。

 

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フロマージュブランマンジェとコーヒーセット。弾力のあるザクロジュレがさっぱりして暑い日にぴったりでした。

 

アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国

会期:2017年4月29日(土)―6月18日(日)

【休館日】月曜日
※ただし5月1日は開館

【会場】〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1

【連絡先】03-3212-2485

【開館時間】10:00 - 18:00
※金曜日は20:00まで開館
※入館は閉館30分前まで

【入館料】一般1,100(800)円 高校・大学生900(600)円 中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
障がい者手帳等持参の方は100円引き(介添者1名は無料)
※前売券は200円引き。3月20日~4月28日まで販売。
【主催】東京ステーションギャラリー(公益財団法人東日本鉄道文化財団

東京新聞

【企画協力】ベルン美術館 アドルフ・ヴェルフリ財団

【後援】スイス大使館

【協力】スイス インターナショナル エアラインズ

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

 

Cafe 1894

03-3212-7156

〒100-0005  東京都千代田区丸の内2-6-2 三菱一号館美術館

不定休日あり・年末年始定休

http://mimt.jp/cafe1894/

 

 

原美術館 Elizabeth Peyton展→KAIDO books&coffee

はじめまして。ブログ「休日美術館マップ」を始めました。美術館やカフェで過ごすのが好きな方に、このブログが少しでも参考になれば幸いです。

 

今回は原美術館現代アート展を見たあと、北品川のKAIDO books&coffeeでのんびり読書というコースをご紹介いたします。

 

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品川にある現代アート専門の原美術館は、元私邸のおしゃれな建物と庭も魅力的な場所。都心にありながらゆったりとした時間が流れています。

 

この日やってた企画展は、NY在住のエリザベス・ペイトンの個展、「Still life 静/生」展です。

 

エリザベス・ペイトン

アメリカの女性作家、エリザベス ペイトンは、1990年代初頭より絵画や素描、版画を中心に制作してきました。中でも肖像画が特に知られており、描く対象は、彼女の親しい友人から、歴史上の人物や現代のカルチャーアイコンにまで及んでいます。また、アーティストや小説家、ミュージシャンや役者なども常に描写の対象となってきました。近年では、街の風景や静物、オペラからもインスピレーションを得て、肖像画と真摯に向き合いながらその概念を大きく広げています。

Art it http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/EfqidXFuato43SHDrU1Y/ より抜粋)

 

今回の展示内容は油絵や水彩などで描かれた肖像画がメインとなっており、テーマとしてはよくある感じ。かと言って作品が平凡というわけではないのが、ペイトンという画家の不思議な魅力なのだと思います。感覚的で自由な筆致と、透明感のある色彩。そしてモデルとなった人物たちへの親密な気持ちが作品を覆っていて、ペイトンの人間性を表しているようで素敵でした。

 

見どころはやはり「Kurt Sleeping」(眠るカート)でしょう。ニルヴァーナのヴォーカル、カート・コバーン(1967-1994)の眠っている姿が描かれています。

 

この作品について、原美術館の解説には「無防備な姿のカートを描写する一方で、眠りと死の隠喩的な類似を想起させています」とあります。しかし実際見てみると、描かれている人物は拍子抜けするほどのどかで、最初はただの居眠りしている美青年といった感じに見えました。ワイルドに無精ひげを生やした、退廃的な雰囲気のカートとは一見重なりません。

 

しかしじっくり見ていると、その今にも壊れてしまいそうな繊細な白い肌の顔と、それに比べてラフに描かれた手の関係に、かすかに危うさが感じられます。

 

のどかな青年としての居眠り姿は、神格化された「孤高の天才」という世間のレッテルから距離をおいた作者の眼差しと、白い顔の危うさはそれでもやはり自殺を遂げてしまったカートに対する悲しみを、率直に表しているのかもしれません。

 

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展示を見終わったら、次はコーヒータイム。KAIDO books&coffeeがある北品川方面へ向かいました。

 

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途中クロモンカフェを発見。こちらも個性的で行ってみたいカフェの一つです。入口前にいる亀がかわいい。

 

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こちらが今回行ってきたKAIDO books&coffee。入口からたくさんの本が見えて、一瞬本屋さんかな?と思ってしまいます。これらの本は全てスタッフの方の蔵書だそうで、4万冊の中から1万5千冊をお店に置いているそうです。すごいですね。

 

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2階にはたくさんの本棚と、小学校で使っていたような懐かしい椅子。両者の対比が面白い空間になっています。

 

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本屋さん並みの蔵書から選んだのは、「不動産屋の耳より話・稲葉なおと著」。不動産業界に対して、「だまされたらどうしよう」みたいな漠然とした不安は少なからず誰でもあると思うのですが、そんな不安の対応策を教えてくれるような内容だったように思います。他には旅行や地理系の本が多くありました。

 

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肝心のコーヒーがこちら。スペシャルティコーヒー豆を使った本格派。グァテマラ、ブラジル、エチオピアの中から豆を選ぶことができました。今回はグァテマラを注文。

 

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帰りは品川駅方面へ。のっぽな高層ビル群に巨大な壁のような都営アパートが、不思議なコントラストを生んでます。

 

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美術館の多すぎない展示内容と、のんびりくつろげる本屋さんのようなカフェで、午後からのお出かけにぴったりのコースでした。

 

展覧会名 「エリザベス ペイトン:Still life 静/生」
会期 2017年1月21日[土] ― 5月7日[日]  開館日数 92日
主催 原美術館、Hara Museum Fund
会場 原美術館 東京都品川区北品川4-7-25
協力 一色與志子
特別協力 Sadie Coles HQ, London; Gladstone Gallery, New York and Brussels; neugerriemschneider, Berlin
開館時間 11:00 am - 5:00 pm(祝日にあたる5月3日を除く水曜は8:00 pmまで/入館は閉館時刻の30分前まで)
休館日 月曜日(祝日にあたる3月20日は開館)、3月21日
入館料 一般1,100円、大高生700円、小中生500円/原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料/20名以上の団体は1人100円引
交通案内 JR「品川駅」高輪口より徒歩15分/タクシー5分/都営バス「反96」系統「御殿山」停留所下車、徒歩3分/京急線北品川駅」より徒歩8分
*日曜・祝日には当館学芸員によるギャラリーガイドを実施(2:30 pmより30分程度)

http://www.haramuseum.or.jp

 

KAIDO books&coffee

住所 東京都 品川区 北品川2-3-7
営業時間 10:30〜22:00(火曜定休、土日は19:00まで)